コラム
データベースを用いたマーケティング手法を紹介
企業にとって、顧客情報や資料請求情報といったデータはとても重要です。これらのデータを集積したデータベースに基づくマーケティング手法のことを、データベースマーケティングと呼びます。この記事ではデータベースマーケティングについて分かりやすく解説します。具体例を交えて解説しますので、ぜひあなたの会社でもお役立てください。
目次
データベースマーケティングとは?
データベースマーケティングとは、企業が所有するデータベースに基づき、ターゲットとなる顧客にアプローチをするマーケティング手法です。
- 顧客の個人情報
- 顧客からのアンケート結果
- 顧客の購買履歴
- 資料請求先のリスト
データベースに集積されるデータには、上記のような種類が挙げられます。重要なポイントとなるのが、あくまで既にデータベースとなっている、既存顧客に対して行なうマーケティング手法であるということです。
データドリブンマーケティングとの違い
データベースマーケティングと似た概念として、データドリブンマーケティングがあります。
データドリブンマーケティングは、あらゆるデータを分析し、その分析結果から意思決定を下していくというマーケティング手法です。この中には予測的分析による、未来の戦略決定なども含まれます。
一方のデータベースマーケティングは、既存のデータベースを利用して、新規顧客の獲得ではなく、既存顧客へアプローチするマーケティング手法です。既存のデータベースに、いかに有益なデータが含まれているかが大切となります。
データベースマーケティングを行なうメリット
データベースマーケティングを行なうことによる、企業にとってのメリットを考えてみましょう。
- 既存顧客からの受注率UP
- 競合への流出を防ぐ
- 営業コストを抑えることができる
データベースマーケティングを行なうことで、既存顧客へ効果的にアプローチすることが可能です。既に何らかのコンタクトがあった顧客に対して、メルマガやDMなどを送ることによって、受注率を高め、競合他社への流出を防ぐことができます。
新規顧客を新たに開拓するより労力も掛からないので、営業コストの圧縮に繋がるのもメリットだと言えるでしょう。
データベースマーケティングの方法
データベースマーケティングは実際どのようにして行なえば良いのでしょうか?実施していく手順を解説します。
STEP1|データベースを構築する
データベースマーケティングは、既にあるデータベースを活用するマーケティング手法です。そのため、データベースの構築が必須と言えます。
データベースマーケティングで重要となるデータは、主に以下の2つでしょう。
- マスタデータ:顧客情報や商品情報など
- トランザクションデータ:製品購入の取引履歴など
この2つのデータは、可能な限り鮮度の高いものを使用する必要があります。古いデータであれば、データベースを構築したものの、顧客からの反応が全く無いということもあり得るためです。
STEP2|顧客へのアプローチ方法を検討する
次に、蓄積したデータから分析を行ない、顧客へのアプローチ方法を検討します。
データベースにはさまざまな顧客のデータがあります。セグメント別に振り分けてみて、Aというグループにはメルマガを送ってみる、Bというグループには電話でセールスしてみるなど、顧客の属性に応じてアプローチ方法を変えることが重要です。
STEP3|施策を実行し、検証する
続いて、STEP2で検討したアプローチ方法を実行に移します。
ここで大切なのが、必ず実行後の反応を検証し、データをフィードバックしていくということです。当然、メルマガを打ったからといって、全員から反応がある訳ではありませんが、あまりに反応が薄い場合には、アプローチ方法が間違っている、もしくはデータベース自体が陳腐化している恐れもあります。
データに基づく検証を行ない、原因を突き詰めていくことが重要です。
STEP4|データベースを更新する
顧客のニーズは絶えず移り変わっています。特にSNSやスマホが急速に普及した現代では、その移り変わりはさらに激しくなっていると言っても過言ではありません。
つまり企業が保有するデータベースは、いつ陳腐化しても不思議ではないということです。
データベースマーケティングを実行するにあたっては、常にデータベースを最新のものにすることが必要不可欠でしょう。そのためには、前線で情報を取る営業マンや販売スタッフが、常に最新情報をデータ化するようなルール作りが大切と言えます。
データベースマーケティングの具体例
それでは、データベースマーケティングの具体例を確認していきましょう。ここでは主に産業用ロボットや空圧部品を扱う商社の例を確認していきます。
この商社では以前まで営業マンが名刺を個人管理しており、顧客情報がデータベース化できていませんでした。2年前から営業企画室が名刺の一元管理を始め、現在は約1万人の顧客情報がデータベースに登録されています。
特徴的なのはデータベースのグループ分けです。この商社では、顧客データを以下のようにグループ分けして、アプローチ方法を変えています。
- 現場担当者
- 決裁権限のある現場責任者
- 社長などのエグゼクティブ
商品を選ぶ現場担当者には、定期的にメルマガで商品の情報を発信します。反応があるユーザーには担当者から面会を申し入れ、商品説明の機会を伺う戦略です。
ユーザーの現場担当者は商品購入の決裁権限を持っていない場合もあるので、決裁権限のある現場責任者にはアプローチ方法を変えることが有効です。課長や部長クラスの社員からアプローチさせ、実際に商品購入の場面となった時に、他社より優位になるような関係作りを目指します。
エグゼクティブに対しては、セミナーや講演会に招待し、経営層同士の繋がりを深める戦略が有効的です。
このように、グループ別で対応を変えることによって、各階層同士で顧客との繋がりを強固のものとしています。階層ごとの役割が明確なので、営業コストを抑えることにも繋がりました。
まとめ|データベースマーケティングでデータに基づく営業をしよう
データベースマーケティングは、今までやり取りがあった顧客に対して、いかに効率よく営業ができるかを考えるマーケティング手法といえます。
既存のデータベースを利用するため、いかに鮮度が高いデータベースを準備できるかが成功のポイントです。鮮度が高いデータベースを作るためには、企業内で「データを活用して効率よく営業する」という考えを根付かせることが大切といえます。
自社で保有するデータベースを常にブラッシュアップし、今後ますます激化する市場の流れに対応していきましょう。
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