認知度を上げ、売上・利益を最大化する統計的な根拠を可視化 | DataVehicle

事例紹介

認知度を上げ、売上・利益を最大化する統計的な根拠を可視化

モンマルシェ株式会社

常務取締役 河野雄士さん
データアナリスト 佐野明梨珠さん

魚缶詰「OceanPrincess」、国産野菜のカップスープ「野菜をMOTTO」、2つのブランドを展開するモンマルシェ株式会社。EC事業におけるF2転換率や商品の認知度の低さに課題を抱えていた同社は売上・利益を最大化するため、データビークルの「dataDiver」を活用し、根拠に基づくデータ分析に取り組んだ。

本プロジェクトを担当された同社常務取締役の河野雄士さんとデータアナリストの佐野明梨珠さんにお話を伺った。

認知度の低さなどに課題を感じていた

ー今回の取り組みを行うにあたって、貴社ではどんな課題を抱えていましたか?

佐野:当社ブランド「野菜をMOTTO」の売上・利益を最大化するにあたり、認知度の低さなどに課題を感じていました。この商品には、アピールポイントがたくさんあるのですが、その中でも、商品に関心を持った非ユーザーの方がどこに魅力を感じているかを把握して、広告施策の効果を最大化したり、Webサイトの情報を最適化したいと考えていました。

河野:当社の商品を購入してくださる人について、これまでは「30代」「女性」「働いている人」といった各項目での上位の結果は出せていたのですが、その上位を組み合わせた「30代の働いている女性」が本当にペルソナとして適切なのかがわからない。そこに単純比較の限界を感じていました。

ーデータビークルを選んでいただいた背景を教えてください。

河野:データビークルさんの研修を受けたことがきっかけです。モンマルシェは鈴与グループの中の1社で、鈴与では2021年4月から10月にかけて、データビークルのDX人材育成研修を導入していました。その研修を受けてみて、当社の事業に活かせそうだと思いました。

もう1つ、データビークルさんが唯一無二だと思った点が、dataDiverというツールの存在です。CRMツールなど、漠然と分析したい時に使われているツールは世の中に五万とあります。ただ、これらの多くは、購入率などのよくある指標が他社の一般的な数値と比べてどうなのかを単純に比較するためのツールです。

一方dataDiverは、データを集められるだけ集めて分析すれば、「傾向としてどういう特徴があるか」を測ったり、「どういうデータが分析目的に貢献しているのか」を可視化できたりします。単純比較の限界を感じていたところでもあったので、データビークルさんに依頼しようと考えました。

アンケート調査でターゲット層が具体化

ー実際にデータビークルとどんな取り組みを行ったか、お聞かせください。

佐野:アンケートデータや購買データをただ集計し、単純にこういう人が多いからこの施策をするのではなく、統計的な根拠を持ってどういった施策をやっていくのか、仮説を立て検証していくことを目的にdataDiverの活用に取り組みました。

その中でアンケート調査を実施したときには、設問の作成やアンケートの聞き方、設問数のボリューム感はどのくらいがいいのかも含めてサポートいただきました。

実際の取り組みでは、アンケート調査を2回に分けて行いました。1回目の調査は、あるクラスタを対象にアンケートを依頼。この調査によってターゲットのセグメントをある程度にまでに絞ることができました。

2回目では、それぞれのターゲットに合わせた広告・プロモーション施策を打ち出すためのアンケートを実施しました。ある広告ビジュアルを見ていただいてどういったところに興味を持ったか、ブランドに対してどう評価しているかという点などを調査して分析を行いました。

2回目の調査設計では、データビークルの担当者と一緒に仮説を立てながら設計をしていきました。そうした視点で設問を設計したので、アンケートの結果をまとめる際には実際にペルソナに落とし込むことができ、ターゲット層をより具体化できました。

データ分析に関しても、動画で事前にdataDiverの使い方を学べましたし、不明点があればすぐにCS担当の方に連絡を取ってアドバイスもいただけました。

dataDiverは、分析結果が「クリア」「とてもクリア」というわかりやすい指標で可視化されるので、統計的に意味があるかどうかをすぐに判別できます。単純なデータ集計では導き出せない分析結果が出せたことも魅力に感じたポイントでした。

ー今回の取り組みでは、どういった成果が得られましたか?

佐野:今回のアンケート調査では、これまで「野菜をMOTTO」が訴求してきていた「時短」とはちがった点に価値を感じてくださる方が多いという結果が得られました。商品のこだわりに対する共感も大きいことがわかり、今後訴求すべきポイントが明確になったと感じています。

河野:dataDiverのおもしろいところは、いくら当社の商品に興味をお持ちになった人たちであっても、ある特定の属性でないと、商品を買うマインドになりにくいというような、こちらが想像をしていなかったことがわかったりする点です。アンケートの結果からターゲット層があるクラスタに絞られたとしても、その中で「いいと思っても買わない」人がいる。そこからの仮説として、「だからギフトという用途で売れているんだな」ということがわかります。そうした気づきをプロモーション施策であったり、SEO対策に活かすことができると思っています。また、データアナリストとしての佐野の成長も大きな成果でした。

ビフォーアフターを検証し施策のPDCAを回していく

ーデータ活用に関して、今後どういった取り組みをされる予定ですか?

佐野:データビークルさんとともにアンケート調査を行う中で、既存の顧客情報の中でも定期的に追うべき情報や、不足している情報があると気づきました。より分析に適したデータのあり方が見えてきたので、そうした知見を活用して既存のデータ構造を改善していけたらと思っています。

河野:今回の取り組みでは、「野菜をMOTTO」を気に入ってくれそうな人の傾向を可視化しました。それに対して、たとえば、1件当たりの獲得コストやリピート率、LTVなど、プロモーション施策をビフォーアフターで検証することが出来ると思っています。それに伴い、データ量も膨大になってくるので、それを踏まえ、もう一度dataDiverを活用して分析することで、より自分たちの顧客はどういう傾向があるのか、雲がかかっていたものが晴れるような、そんな一連のPDCAを回していけたらいいですね。

これをきっかけとして、鈴与グループ内でデータ活用が文化になっていくといいですね。「売れるから売る」のではなく「数字に基づいて戦略的に売る」。今回はそのための1つのスタートになったのではないでしょうか。

今後、AIの技術が成長していけば、データ分析自体ができるようになることよりも、分析をオーダーする仕事が大事になってくると考えています。通販事業者はこれまで、取り巻く環境の複雑さゆえにデータ活用を重視してきませんでしたが、未来を見据えたうえでデータを活用していくことが、あるべき姿であってほしいと思います。

ーモンマルシェ様の取り組みが、通販業界の好例となっていきそうですね。本日は、ありがとうございました。

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

データ分析や活用、DX推進に関するお悩み、弊社製品の機能についてご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。