データドリブンとは?意味や具体的な活用事例を紹介 | DX | DataVehicle

コラム

データドリブンとは?意味や具体的な活用事例を紹介

データドリブン(Data Driven)を直訳すると「データ駆動」という言葉になります。「データに基づいた」と言い換えるとわかりやすいでしょう。近年「データに基づいた意思決定」「データに基づいた経営」という言葉をよく目にするようになりましたが、具体的に何を指すのでしょうか。データドリブン経営がどんなメリットをもたらすのか、実際にどのように活用されているのか、わかりやすく解説します。

 

データドリブンの意味とは?

データドリブン(Data Driven)とは、収集したデータを分析し、その結果に基づいて意思決定をするビジネスプロセスを言います。

従来の企業活動は、経営者やマネージャーの「経験と勘」に基づいて意思決定されることが多くありました。しかし、人間が経験と勘を積み上げるには何年もの時間がかかります。

経験と勘に基づいた意思決定プロセスをデータドリブンに置き換えることで、何が起こるのでしょうか。

たとえば、100万人分の顧客データが企業に集積しているとしましょう。これらのデータは、100万人分の「経験」と同義です。このデータを適切に分析し活用することで、私たちが一生かかっても経験しきれない情報を活用しデータドリブンに意思決定することができるのです。

昨今の新型コロナ禍によって市場に大きな変化がもたらされたことで、これまでの経験と勘に基づいた意思決定プロセスだけでは勝ちパターンが定義しづらくなっています。そんな中、データに基づいた意思決定をすることで、効率的かつスピード感を上げていくことが重要になっています。

 

データドリブンに意思決定することのメリット

企業活動においてデータドリブンを取り入れることにより、次のようなメリットがあります。

生産性が向上し、売上や利益が改善する

社会科学研究ネットワークSSRN(Social Science Research Network)が発表した論文によると、従来の経験と勘に基づく経営に比べ、データドリブン経営のもとでは生産性が5〜6%向上すると言われています。

データを適切に活用することで生産性が向上し、経費の削減や売上・利益の改善につながります。

顧客ニーズの客観的な把握ができる

膨大なデータから顧客ニーズや行動を客観的に判断できることも、データドリブンのメリットの一つです。

データから読み解いた顧客ニーズや行動に合わせて、キャンペーンなどを戦略的に企画することで、売上の向上に貢献します。

スピード感ある意思決定が可能になる

長年の経験や勘に頼る意思決定は、そもそも経験や勘を積み上げるために、膨大な時間を要します。データドリブン経営では、すでにあるデータを用いて客観的に判断を下すことが可能なため、事業のスピードアップにつながります。

データドリブン経営を実現するために必要な人材とは?

データドリブンは大きく分けると以下4つのプロセスに分かれています。

データ収集
データ分析
データの可視化
意思決定

この4つのサイクルを効率的に実行していくためには、次のような人材が必要です。\

ITリテラシーが高い人材

データドリブン経営を実現するためには、ITリテラシーが高い人材を置くことが必須です。

ITリテラシーが高いだけではなく、データをデジタル化できる技術を持っている、オペレーションをデジタル技術に移し替えることができるといった、データドリブン経営に必要な技術を持っているとなおよいでしょう。

データ分析ができる人材

莫大なデータから「実際に何が知りたいのか?」を読み解き、分析できる人材を登用することも、データドリブンな意思決定をするうえで大切な要素となります。

データドリブンな意思決定をどうやるか

データドリブンな意思決定をする場合、収集したデータを分析する必要があります。米国のリサーチ&アドバイザリ企業ガートナー社では、データ分析の手法を3つ定義しています。

1.記述的分析
記述的分析は、過去の状況を正確に把握するための分析手法です。たとえば、過去1週間で商品Aがいくつ売れたかを把握し、商品Aを販売するための今後のリソース配分を考えるといった使い方をします。

2.診断的分析
診断的分析は、「売れたものと売れなかったもの」「買ってくれた人と買ってくれなかった人」といった差分をデータから分析し、対策を講じるといった使い方をします。

3.予測的分析
予測的分析は、将来にわたる予測を立てるための分析手法です。現在の状況がこのまま続いていくとしたら、何がいくつ売れるか予測を立てるといったときに活用します。

データドリブンに意思決定するときは、データの分析結果から何を得たいのか、何を知りたいのかを明確にしておきましょう。

「過去の状況を知りたい」「ある事象が起こった因果関係が知りたい」「将来にわたって何がいくつ売れるかを知りたい」。こうした目的によってデータ分析の手法が異なってきます。

データドリブン経営取り組み例

長年の経験や勘に頼らないデータドリブン経営。企業活動のどんな分野で活用されているのか、取り組み事例を紹介します。

営業部門での取り組み例

営業部門でデータドリブン経営に取り組むことによって、効率的な営業活動を実現することが可能です。また、経験や勘のみに頼っていた従来の営業活動とは異なるタイプの新規顧客を獲得できる可能性もあります。

たとえば、BtoB営業の一環として展示会に出展した場合、来場者にはアンケートに回答してもらったり、名刺をいただいたりするでしょう。従来は、そこで得られたデータのうち大企業を中心に電話営業をかけて営業に行くといったアナログな方法が採られていました。

データ分析ツールを活用してアンケート結果や営業訪問活動の結果を分析することで、最終的に受注につながった会社とそうでない会社の差、顧客になってくれた人とそうでない人の差などが表れます。

このデータ分析結果をもとにリストを作成し電話営業することで、受注件数の増加や、いままでとは異なるタイプの新規顧客の獲得につながります。

データに基づいたコーポレートサイトの運用例

多くの企業が自社のコーポレートサイトを活用して、Webマーケティングを行なっています。こうしたコーポレートサイトの運用も、データを活用することで効果が出やすくなります。

サイト分析を行なわず、何となく更新しているだけでは有効な集客はできません。サイトへの訪問ユーザー数、流入経路、流入キーワードなど、コーポレートサイトにまつわるデータを蓄積、分析することが重要です。

「Aという商品ページが多くの人に見られているから、Aに関するコンテンツを充実させよう」のように、分析したデータから次のアクションを起こすことが可能となります。その後、PDCAを回し、効率的にコーポレートサイトを更新していくことで、自社の利益に繋がるようになるでしょう。

データドリブン経営でビジネスにスピード感を

近年デジタル技術やAIが急速に進化したことにより、多くの企業でデータドリブン経営の機運が高まっています。グローバル競争が激化し、消費者のニーズが多様化している現代において、今までのように経験や勘に頼るだけの企業活動は限界に近づいていると言っても過言ではないでしょう。この流れは、今後ますます激しくなっていくことが予想されます。今のうちにデータドリブンを活用する環境を整え、経験や勘のみに頼らない風土を作っていきましょう。

 

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