DXを推進するには?企業におけるDX推進のプロセスをわかりやすく解説 | DX | DataVehicle

コラム

DXを推進するには?企業におけるDX推進のプロセスをわかりやすく解説

IT・デジタル技術の急速な進歩やユーザーニーズの多様化に加え、折からの新型コロナウイルスの影響で市場に大きな変化が訪れています。従来の「経験と勘」に基づく意思決定だけでは通用しなくなってきた昨今、DX実現に向けて舵を切る企業が増えてきました。実際にDXを推進するにはどうしたらいいのか。DX推進に必要な人材とは。企業におけるDX推進のプロセスをわかりやすく解説します。

DX推進に必要なのは「経営層のリーダーシップ」

DXの実現にあたって不可欠な要素。それは、経営層のリーダーシップです。

DX=デジタルトランスフォーメーションは、日本語に直訳すると「デジタル技術による変形、変化」となります。DXを推進することで、文字どおり従来の組織や働き方は変化していきます。新しいことを覚えるための導入や調整をしなければならなかったり、反対にこれまでやってきたことを止めるための決断をしたりさまざまな負担が生じるでしょう。そこで、経営層の強いリーダーシップが求められるのです。

経営層が強い危機感をもとにDXを推進するのと、タテマエとして取り組むのとでは、温度感に大きな差が出るでしょう。DXを推進するうえでは、経営層がリーダーシップを持って臨む姿勢が大切です。

DX推進のプロセス

「自社でもDXに取り組んでいきたいが、そもそもどうDX推進をすればいいかわからない」。そうした企業や担当者の方もいるでしょう。DXに必要な条件や推進プロセスは次のとおりです。

1.DX推進の対象領域を選定する
2.データを整理する
3.分析方法を決定し、データを分析する
4.データ分析の結果を意思決定プロセスに落とし込む
5.積み残しの課題を明らかにする

DX推進のプロセスを具体例で解説

1.DX推進の対象領域を選定する
DXを推進する最初のステップとして、DXを推進する対象領域を選定します。このとき、全社を見渡してみてプロセスや組織の変革がしやすい領域を探すことがポイントです。

「この事業なら業務プロセスを切り替えやすい」「オペレーションのこの部分は比較的IT投資が進んでいる」といった、比較的DXが進めやすそうな領域を選びます。

DX推進は全社対象にできれば理想ですが、最初から大きくやるのは大変です。まずは社内で1つ成功事例を作ることを目指しましょう。

2.データを整理する
DX推進領域を選定したら、次にデータを整理していきます。対象となる業務部門や業務プロセスを切り出し、そこにどんなデータが蓄積されているか確認しま1しょう。どんな情報が管理されていて、どんな体制でデータを収集しているかを明らかにしていきます。

蓄積されているデータについて、その部門の特定の人だけがわかる状態にしておくのではなく、社内の誰が見てもわかる状態に言語化することがポイントです。データに関する知識を全社に共有したうえで活用を進めていきましょう。

3.分析方法を決定し、データを分析する
整理したデータを分析していきます。実際に分析を行うことで、モニタリングすべき結果が表れたり、追加で収集すべきデータが判明したりします。

4.データ分析の結果を意思決定プロセスに落とし込む
データ分析して得られた結果を意思決定のプロセスに落とし込みます。

このとき注意したいのは、分析結果を出す人と意思決定する人がデータを確認するタイミングに乖離がある点です。

意思決定プロセスに対して、どんなタイミングでどんな分析結果が必要かを確認し、その分析を誰がするか、誰が分析結果にアクセスできるようにするか、あらかじめ決めておくとよいでしょう。

5.積み残しの課題を明らかにする
ここまで、DX推進の一連のプロセスを回したら、最後に解決出来なかった積み残しの課題がないか洗い出しをします。たとえばオペレーションの一部に無理があったと感じたら、どの部分を変革すればよりスムーズにDXを進めることができるか整理していきます。

課題を明確にしたら、社内の別の領域でDXを進めるか、現在の領域に関連する分野でDXを進めていくかといった次のステップを検討しましょう。

ここまで一連のプロセスを何周も回していくことで、社内のDXを進めていきます。

DX推進によって得られた成果が競争資源となって売上増につながった、オペレーティングコストが下がったといった結果が出るまで、小規模なプロジェクトであれば1年以内に到達することを目安にします。それよりも期間が長くなる場合、逆にコストが拡大するなどDX推進の意味あいが薄れる可能性があります。

DX推進に求められる人材

DX推進プロセスをスムーズに進めるためには、組織作りが重要です。DXの推進プロセスに従い、次の4つのポジションに適した人材を選びましょう。

・ボス
・エキスパート
・データマネージャー
・分析担当者

リーダーシップを持って意思決定する「ボス」

ボスに適しているのは、数字と理屈で意思決定のリーダーシップを取れる人。データ分析の結果「こうしたら利益が上がりそう」「これをやめればコストが削減できそう」といった改善ポイントが明らかになります。そうした中、リーダーシップを持って「やる」「やらない」といった意思決定ができる人がボスに向いています。

現場感覚を持った「エキスパート」

エキスパートを務めるのは、現場の事情とオペレーションの肌感覚がある人がよいでしょう。エキスパートは忙しいボスをサポートしたり、時にボスに代わって意思決定をしたりします。現場感覚をいかして、データ分析で得られた解釈の正当性や現実性について検討することもあります。

社内のデータに精通した「データマネージャー」

データマネージャーに向いているのは、社内のデータとITシステムの土地勘がある人です。DXを進めるためには、データが分析や活用に向いた状態になっている必要があります。大規模なデータを現実的な速度で扱いやすくすること、インフラ周りの設定や何らかの言語でコードが書けることなどがデータマネージャーに求められる資質です。

データ分析を担当する「分析担当者」

分析担当者には、ITとハードワークが苦にならない若手/中堅社員がよいでしょう。データ分析で解決したい業務課題に対して「何がどれだけ関係するか」と明らかにできること、分析手法の意義と限界を理解していることなどが求められます。

これら4つのポジションに適材適所の人材を登用して組織を作り、社内のDXを実現しましょう。

適切なプロセスと人材配置でDXを推進し、「2025年の崖」を乗り越えよう

日本企業の多くではいま、デジタル技術と業務の融合が進んでいないという課題が生じています。経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、企業がこうした課題を克服できなかった場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとしています。「2025年の崖」と呼ばれるこの問題は、目前に迫っています。適切なDX推進プロセスと人員配置でDXを加速し、「2025年の崖」に耐えうる組織を作りましょう。

 

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