コラム
DXがもたらすビジネスメリットとデメリットを具体例を元に解説
インターネットでの映画視聴、ネットスーパーでの買い物、電子決済の普及など、私たちの生活はここ数年、デジタル技術によって大きく変わりました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れは、ビジネスの世界にも確実に押し寄せています。DXをすることで、ビジネスの現場にはどんなメリット、デメリットがもたらされるのでしょうか。わかりやすく解説します。
目次
DXがもたらすビジネスメリットとは?
ビジネスの場面におけるDXとは、「デジタルとデータを最大限活用して、業務や組織風土の改革を行ない、企業競争力を高めること」をいいます。DXがビジネスにもたらすメリットには、どんなものがあるのでしょうか。
生産性の向上
DX推進における最大のビジネスメリットは、生産性の向上です。
経験や勘に頼らず、データドリブンな意思決定をする企業は、生産性が約5~6%高くなるという過去の研究結果があります。長年の勘よりもデータに基づく客観的な判断が、企業の生産性向上に寄与していると言えるでしょう。
DXに取り組んだからといって、すぐに売上が倍増するということではありませんが、データやデジタル技術を活用することによって、他の企業との競争で優位に立てる可能性があります。
リスクの回避
DXの推進は、ビジネスにおけるリスクの回避にも役立ちます。
今後、特にリスクとして考えないといけないのが「消費者行動の目まぐるしい変化」です。スマホやタブレットの普及により、消費者のニーズや行動は多様化し、変化が激しくなっています。
データを活用せず、長年の勘に頼って意思決定することで、消費者のニーズとズレが生じてしまい、思わぬ損失が出てしまう恐れもあります。
CDPを導入し、社内にあるデータを統合して正確に分析することで、消費者行動を的確に捉えることができるようになるでしょう。これがリスクの回避にもつながります。
組織力が向上する
DXを推進させることで、従業員がデータに基づいて分析や施策の決定を行なうようになります。施策の良否結果もデータとして蓄積されていくので、次の意思決定の際の迅速な判断にもつながっていきます。
結果として、個人だけではなく組織力も向上していくのが、DX推進のメリットです。
DXのメリットを具体例で紹介
企業においてDXを推進するビジネスメリットの具体例を紹介します。
CDP導入によるデータドリブンな意思決定
CDPを導入すると、社内に分散したデータを収集、統合、分析することができます。これにより、データドリブンな意思決定をすることが可能となります。
ここではアパレルメーカーがCDPを活用することのメリットについて確認してみましょう。
アパレルメーカーでは以下のようなデータをCDPで収集、統合、分析して顧客ニーズを把握しています。
リアル店舗での顧客アンケート
自社サイトでの顧客の行動履歴
SNSでの「いいね」などの反応
CDPを活用することで、顧客の好みやニーズの変化を敏感に察知することが可能です。データに基づき、戦略を立案することができるので、売上向上に貢献します。
DXを推進することのデメリットとは?
DXの推進はビジネスにおけるメリットとなる一方で、デメリットが生じることもあります。たとえば、次のような場合です。
コストがかかる
DXを推進するにあたって多くの企業で課題となるのが、老朽化した現行システム、いわゆるレガシーシステムの問題です。
経済産業省は、複雑化・ブラックボックス化しているレガシーシステムが抱える問題を2025年までに解決できなければ、年間最大12兆円の経済損失が生じるとしており、これを「2025年の崖」と呼んでいます。
レガシーシステムからの脱却は容易ではなく、DXに精通した人材の確保や、ベンダーの活用に多大なコストがかかる可能性があります。
デジタル技術を活用するという考え方に至っていない企業にとっては、DXのためのコストが負担として考えられ、システムやツールの導入が見送られてしまう場合もあるかもしれません。
逆にコストを圧縮してDXを推進しようとしても、有効な方法が取れず頓挫してしまう可能性もあるでしょう。
すぐ結果につながらない場合がある
コストを掛けてDXを推進していても、企業に合わない方法や考え方をしている場合、理想の結果につながらない場合があります。
ビジネスにおいてDXはまだまだ始まったばかりであり、「これをしたら絶対に成功する」といった方程式がありません。
DXは試行錯誤の連続です。すぐに結果を追い求めてしまうと、企業内で食い違いが生じてしまうことも考えられます。
DX推進は焦らず、計画的に実行していくことが重要です。
組織風土が変わってしまう
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の言葉通り、改革を意味します。
たとえば、今まで紙や押印の文化が根付いている企業がDXを進めようとすると、組織の風土自体が変わる可能性があります。組織の中には、DX推進に反発する従業員も出てくるかもしれません。
力強くDXを推進していくためには、反発する従業員に対して、「なぜこのDXという改革が必要なのか」ということを理解してもらう必要があります。
企業がDXを推進していくためには、従業員の理解を得るために、しっかりと説明責任を果たすことが重要です。
デメリットを恐れずDXを推進させよう
DX推進にはコストがかかったり、すぐには結果が出ないといったデメリットがあります。一方で、DXが成功すれば業務効率化、生産性の向上、リスク回避などさまざまなメリットを得ることができます。デメリットを恐れず、自社にあったDX推進を行なうことで、ビジネスチャンスを拡大していきましょう。
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